鼻汁、鼻閉、目のかゆみ、くしゃみなどにお困りでありませんか?

大分蒸し暑くなってきましたね。

このように高温多湿になってくると繁殖してくるのが「ダニ」です。
ダニはアレルギー性鼻炎や気管支喘息の原因となるいやな生き物ですね。

皆様、お忙しいとは思いますが是非週に1回の布団、ベッドの掃除機かけをしましょう!!

youtubeで「環境再生保全機構 ダニ」で検索していただきますとダニの駆除の仕方の動画を見ることができます。
お時間のある方は是非一度ご覧ください。とてもわかりやすく説明がされています。
動画は30分ほどですべてを見ることができます。


もし一年を通して鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみがある方は残念ながらこのダニに対してアレルギーがある可能性があります。

通年性アレルギー性鼻炎とは
アレルギーの方はダニの糞や死骸を吸い込むことで鼻閉、鼻水、くしゃみ、目のかゆみが出てきます
約4人に1人が通年性アレルギー性鼻炎といえます。

実に日本人の4人に1人は通年性アレルギー性鼻炎であると言われています!!     ちなみに私もダニアレルギーです。

ダニアレルギーがあるかどうかは当院では血液検査で調べることができます。ダニアレルギーがあり、症状でお困りの方は5歳以上であれば「舌下免疫療法」といって1日1回お薬を使用する方法でアレルギーを根本的に改善させることが期待できます。

鼻水、はなづまり、くしゃみ、目のかゆみが1年を通して続く方は是非一度ご相談ください。

なおスギの花粉症に対しても5歳から舌下免疫療法を行うことができます。1月から5月頃に目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、はなづまりがひどくなる方はスギ花粉に対してアレルギーがある可能性があります。こちらも血液検査で調べることができますので症状でお困りの方は是非ご相談ください。大人の方も検査、治療が可能です。
なおスギ花粉に対しての舌下免疫療法はスギ花粉が飛散する(1月頃から5月頃)と開始ができませんのでご注意ください。

そうむらこどもクリニック

当クリニックでの感染症状況 (6月15日から6月20日)

今週は目立った感染症はありませんでした。

20日土曜日に第1回目の「子どもの育ち相談外来」がありました。

早速数名の方にご利用いただきました。

こちらの相談はプライバシーに配慮して個室にて臨床心理士さんがマンツーマンで対応させていただきます。

育児に不安の不安がある方、お子様の発達、様子に気になる点がある方はどなたでもご利用できます。

相談をご希望の方はクリニックまでお気軽にお問い合わせください。

外来の時間帯は第3土曜日13時から16時で約1時間の相談を予定しております。

そうむらこどもクリニック

当クリニックでの感染症状況 (6月8日から6月13日)

溶連菌:2名

その他感染症の疑いの方はいらっしゃいませんでした。

気温が上昇してきてあせも、湿疹、とびひ、水いぼの方が増えてきている印象です。

悪化してしまうと治るまでの時間もかかってしまいますのでお肌のトラブルのある方は早めの受診、治療開始をお勧めいたします。

敵は「新型コロナ」のみにあらず~その4~

今回はおたふくかぜ(ムンプス)です。

子の病気はムンプスウィルスの感染により耳下腺(耳の下あたり)や顎下腺(顎の下あたり)に炎症が起こり、腫れたり痛みを感じたりします。感染力は非常に強いです。感染から2~3週間の潜伏期を経て発症します。

おたふくかぜ自体は軽く済むことも多いのですが、一方で全身に様々な炎症が生じる可能性があり、注意が必要です。約10%に髄膜炎(頭痛、高熱、嘔吐)が生じると言われています。また思春期以降では男性の約20~30%に睾丸炎を、女性では約7%に卵巣炎を合併すると言われています。

そして最もやっかいなのが難聴です。じつはこれはあまり知られていない後遺症です。これまでは約1.5万人に1人の割合で生じると言われていましたが、実際はもっと頻度が高く1000人に1人に生じている(0.1%)という報告もあります。

2015年-2016年の日本耳鼻咽喉科学会の行った全国調査では2年間で348人が少なくともムンプス難聴になり、そのうち300人近くの人に後遺症が残ったという結果がでました。

この調査の難聴発症を年齢別に示したのが下のグラフです。

学童期の子どもばかりでなく、なんと子育て世代の大人にも多く認められました。

この難聴は残念ながら治りにくく、一生の後遺症となってしまうことが多い、怖い合併症です。

NHK連続テレビ小説「半分、青い。」のヒロイン もこのムンプス難聴という設定だったようです(私は見ていませんが)。

おたふくワクチンは2回接種で予防効果が95%以上(残念ながら100%ではない)になると言われています。

ワクチン接種にて髄膜炎が生じる可能性がありますが、その頻度は2万人に1人くらいととても低い確率です。またワクチン接種による難聴、睾丸炎等の発症はごくまれと言われていますので、やはりワクチンは接種した方が良いと思われます。

残念ながら今のところこのワクチンは自費での接種(他の先進国ではほぼ定期接種になっているのに!!)となってしまいますが、難聴という後遺症を残さないために、是非とも2回のワクチン接種をおすすめいたします。このワクチンは1歳から接種ができます。

宗村純平

当クリニックでの感染症状況 (6月1日から6月6日)

目立った感染症はありませんでした。
しかし、徐々に夏かぜと思われる症状の方が増えております。

さいきんはだいぶ暑くなってきましたね。マスクをつけているとさらに蒸し暑く、息苦しさも感じますね。

マスクは必要以上には着用せず、外せるときは外してできるだけ快適にお過ごしください。

敵は「新型コロナ」のみにあらず~その3~

今日は患者さんがいらっしゃらないので、のんびり診察室でこの記事を書いています。

しばらく間隔が空いてしまいましたが、今日は「その3」を書こうと思います。

今回は「B型肝炎」についてです。現在B型肝炎ワクチンは定期接種になっていて、1歳までであれば無料で受けることができます。

しかし、この定期接種化が始まったのは残念ながら2016年10月からです。

それ以前に生まれられている方は接種していない方が多いと思います。

一度母子手帳をご確認ください。

「このワクチンは接種した方が良いですか?」と最近よく親御さんから質問されます。一人の医師の意見として、できることなら接種してあげて欲しいと思っています。

なぜかと言いますと、このB型肝炎は血液、体液の接触で感染するのですが、大人になり性的接種で感染することが多く、問題となっております。またごく少数ですが「歯科治療」「ピアス」「歯ブラシ」などから感染することがあります。また2002年に保育所で20人以上の集団感染の報告もありました。2009年には祖父、孫、父と3世代の家族内感染が報告されました。

ではB型肝炎にかかるとどうなるのでしょうか?成人が感染すると20-30%の人が急性肝炎を発症します。急性肝炎にかかった人の2%が致死率約70%の劇症肝炎になります。また慢性化することもあり、そうなると肝硬変(肝臓が硬くなる)、肝臓ガンを発症することがあります。ちなみにこの慢性化は乳幼児の方がなりやすいと言われています。

B型肝炎を発症するのは多くの場合大人になってからですので、ワクチンの効果を実感しにくく、軽視されがちです。しかしB型肝炎に感染するリスクは成長するほど高くなっていきます。

このワクチンは乳幼児の間に接種すると効果が大きく、免疫は20-30年続くと言われています。なおワクチンの効果は大人になるに従い低下します。40歳代を過ぎての免疫獲得率は約80%と言われています。

お子様への一生のプレゼントにB型肝炎ワクチン、はいかがでしょうか?

次回は「おたふくかぜ」について書きたいと思います。

宗村純平