敵は「新型コロナ」のみにあらず~その3~

今日は患者さんがいらっしゃらないので、のんびり診察室でこの記事を書いています。

しばらく間隔が空いてしまいましたが、今日は「その3」を書こうと思います。

今回は「B型肝炎」についてです。現在B型肝炎ワクチンは定期接種になっていて、1歳までであれば無料で受けることができます。

しかし、この定期接種化が始まったのは残念ながら2016年10月からです。

それ以前に生まれられている方は接種していない方が多いと思います。

一度母子手帳をご確認ください。

「このワクチンは接種した方が良いですか?」と最近よく親御さんから質問されます。一人の医師の意見として、できることなら接種してあげて欲しいと思っています。

なぜかと言いますと、このB型肝炎は血液、体液の接触で感染するのですが、大人になり性的接種で感染することが多く、問題となっております。またごく少数ですが「歯科治療」「ピアス」「歯ブラシ」などから感染することがあります。また2002年に保育所で20人以上の集団感染の報告もありました。2009年には祖父、孫、父と3世代の家族内感染が報告されました。

ではB型肝炎にかかるとどうなるのでしょうか?成人が感染すると20-30%の人が急性肝炎を発症します。急性肝炎にかかった人の2%が致死率約70%の劇症肝炎になります。また慢性化することもあり、そうなると肝硬変(肝臓が硬くなる)、肝臓ガンを発症することがあります。ちなみにこの慢性化は乳幼児の方がなりやすいと言われています。

B型肝炎を発症するのは多くの場合大人になってからですので、ワクチンの効果を実感しにくく、軽視されがちです。しかしB型肝炎に感染するリスクは成長するほど高くなっていきます。

このワクチンは乳幼児の間に接種すると効果が大きく、免疫は20-30年続くと言われています。なおワクチンの効果は大人になるに従い低下します。40歳代を過ぎての免疫獲得率は約80%と言われています。

お子様への一生のプレゼントにB型肝炎ワクチン、はいかがでしょうか?

次回は「おたふくかぜ」について書きたいと思います。

宗村純平

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